2015年、中国の有名な夕刊紙に「半年違いで肺がんを患っている夫婦の原因は自宅の大きな天然大理石か？」という記事が掲載されました。記事によると、この2人の高齢者は喫煙せず、普段の食生活も非常に健康的で、運動も続けているが、6ヶ月以内に末期の肺がんと診断されたとのこと。医師が原因の追跡に協力したところ、老人の家の装飾が豪華で、非常に大きな天然大理石を使用していたことがわかり、医師はこの大理石に問題があると疑いました。
大理石はいったいどうして肺がんと関係があるのでしょうか。問題はラドンと呼ばれる放射性不活性ガスです。ラドンは、ラジウムやトリウムなどの放射性元素の崩壊によって生成される唯一の天然放射性不活性ガスです。無色無臭で、石、土、水中に存在します。ラドンガスは現在、タバコに次いで肺がんの2番目に多い原因として認識されています。ラドンが人体に与える放射線量は、人体が一生の間に受ける放射線の総量の約55％を占め、世界保健機関はラドンを19の主要な環境発がん物質の1つに挙げています。肺がんの相対リスクは、ラドン被曝レベルと直線的に関係しています。統計によると、中国では毎年約5万人がラドン誘発性肺がんで亡くなっています。
そうすると、大理石に含まれるラドン放射線が癌を引き起こす可能性があると考えられます。では、大理石にはどのくらいの量のラドンが含まれているのでしょうか? 本当に癌を引き起こすほどの量なのでしょうか? 家の改築に大理石を使用すると癌になるリスクがあるのでしょうか?
専門家によると、住民は家の中の大理石の装飾についてあまり心配する必要はなく、大理石があるからといって過剰なラドンが放出されるわけではなく、一般的に、室内のラドンが基準を超える可能性は非常に低いとのことです。実際、早くも2013年に、中国石材協会、国家石材品質監督検査センター、国家石材標準化技術委員会は共同で「大理石製品の人体に対する非放射性危害に関する通知」を発行し、大理石は主に炭酸塩鉱物で構成されており、その形成過程は放射性物質と直接関係がなく、人体に対する放射性危害はない、と説明しました。大理石に含まれる放射性物質の放射量については、2014年に厦門で開催された「中国天然大理石白書」の発表の際に、中国石材協会会長が「自然界にあるものはすべて一定量の放射能を持っている可能性があるが、この放射能が人体に有害であるかどうかは区別する必要がある」と発言しました。天然大理石で作られた各種の石材製品は、人体に放射能による害を引き起こすことはありません。中国国家石材品質監督検査センターは、過去10年間に市場で一般的に使用されている100種類以上の国産および輸入大理石サンプルに対して放射能検査を実施しました。その結果、検査されたすべての大理石サンプルの平均放射性核種比活性は0.02でした。これは、国家標準「建材放射性核種限度値（生産、販売、使用の範囲は制限されない）」のA類指数のわずか50分の1であり、完全に無視できるレベルです。
大理石の放射線ががんを引き起こすという主張は確かに誇張されていることがわかります。国際的な放射能指標と比較すると、中国の指標は比較的厳格ですが、近年、関係部門は大理石の放射能検出を取り消しており、これは国産の大理石製品の安全性を十分に説明しています。したがって、消費者は家のリフォームの過程で安心して大理石製品を購入することができます。ただし、消費者は石の装飾材料を購入する際に、国家技術監督局によるCMA放射性分析試験証明書の試験資格と製品の適用範囲の分析を忘れずに確認し、正規のメーカーが製造した製品を購入することをお勧めします。
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